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以前から言われているように裁判には人の人生が詰まっている

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連休前の金曜日、夏季休暇で裁判を傍聴してきました。

泥沼離婚訴訟の傍聴もしたかったが、以前から行こうと決めていた

刑事裁判の傍聴をすることに。

場所は霞が関徒歩1分の東京地裁

 

 

入館から傍聴するまで

裁判は平日16時くらいまで傍聴可能で、別に服装などにも特に制限はなし。

そうはいっても、ビキニで入館はできないと思うけど。

その日は、入館前に荷物検査がありました。

 

初めて入館した裁判所の印象はとにかく

思いのほか大きい」ということ。

ロビーが広く、確か9階くらいまであります。

裁判所って国会議事堂みたいなイメージだったけど、めちゃくちゃ大きいです。

 

入館してから正面の台で、今日の裁判の開廷表がタッチパネルで

確認できました。

開廷表には、詐欺事件 法廷722とか記されているので、エレベーターで法廷へ。

このエレベーターもちょっと複雑で少し迷いました。

 

この日傍聴した裁判は以下の通り

10時~詐欺事件、強制わいせつ、過失運転致死、ストーカー、傷害事件

覚せい剤取、住居侵入・建造物損壊

 

初めて行かれる方に言いたいのは、開廷表が1階にしかないので、

事前に準備したメモなどで、気になる事件の開廷時刻や、法廷番号などを

メモしておくと、往復しなくて済みます。

もっとも、傍聴マニアならいい方法をご存知かもしれませんが。

 

ウォーミングアップに丁度いい詐欺事件

仕事柄、刑事事件と縁がある?ために、刑事事件をチョイスしたのもあります。

その中でもその日に傍聴しようと選んだものは特にそうです。

 

詐欺事件と言えば、若者が行う振り込め詐欺

詐欺罪の法定刑は懲役しかなくかなり重い罪です。

そういったものを期待して、初めての傍聴にわくわくしながら法廷へ。

 

しかし、行われたのは、外国人と日本人の偽装結婚に関与し、利益を得たという事件。

被告人は、声が弱弱しい老人でした。

事件の概要は

  • 外国人留学生などに不動産を提供する会社を運営していた被告人が、外国人と日本人の偽装結婚を斡旋
  • 知り合いの外国人が計画して、知人の外国人女性に、日本人男性を紹介
  •  被告人は、断るのが苦手な性格や、会社の資金繰りに苦しんでいたこと
  • 知り合いに結婚したがっている男性がいたことで、決意して偽装結婚に手を貸した
  • 対価として30万円を得た

 

 

偽装結婚が犯罪として重い罪に問われる理由

男性には犯罪をしている意識はないようでしたが、長期間勾留され

相当堪えている様子でした。

弱弱しい男性に懲役刑を求刑する検察官。執行猶予でいいじゃろ~

と思っていましたが、

 

男性がしたことは、

  1. 戸籍制度に対する信頼を損なった(国に対して詐欺を働いたなど)
  2. また、男性の仕事を加味すると、外国人と触れ合う機会が多く、外国人に不動産を斡旋する仕事をしていること
  3. そして、外国人の偽装結婚を斡旋することで、不法入国を許可してしまっているなど、

国としては見捨てることのできない重大な犯罪であるということでした。

 

仰る通りです。外国人が身近になった今こそ

単に引き合わせたことで、詐欺に問われる可能性があるということです。

 

しかし、この男性は、斡旋したことで30万円の金銭的利益を受けるも

結婚した女性が家庭にお金を入れないなどで、結婚した男性から

金の無心を受けていたようで、結果手元に残ったお金もないということでした。

 

初めての傍聴感想

判決は10月のようで、どういった結末となるかはわかりません。

事件としては非常に地味ではありましたが、この後傍聴した内容を

考えれば、丁度いい事件だったと思います。

 

この裁判の傍聴での感想は以下です。

  • 証拠調べが長い
  • 裁判官・検察官・弁護士は意外に普通の人
  • 検察官の手腕にびっくり

 

初めての傍聴で感じた法曹界の人々

自分が率先して裁判を行わない限り、訴えられるということは、

余程のことをしない限り身近なことではありません。

従って、生きているうちに法曹界の人々に出会うことも少ないのではないかと

思います。

 

私がこの日出会った、裁判官・検察官・弁護士の印象は

意外に普通の人であるということです。

 

本当普通です。電車とか駅のホームですれ違っているかもしれない程度に

普通の人々でした。

 

裁判官と言っても、居酒屋で大声で注文するようなふてぶてしい感じの慣れた裁判官もいれば、弱弱しく、オドオドしていて、進行できない裁判官もいました。

 

検察官も同様です。神経質そうな普通のおじさんもいれば、若くてピチピチした検察官や、

悪と言わんばかりに被告人に食って掛かる検察官もいました。

 

一番の驚きは、女優さんも真っ青な美人な検察官がいたことですが。

彼女になら重い懲役刑を求刑されてもいいくらいです。まさに才色兼備。

 

弁護士も同様です。はきはき理路整然と話す弁護士もいれば、よぼよぼで、

大学の誰も入らなさそうな学部を担当している教授のような

ただ見守るだけの弁護士もいました。

これについては、私選弁護人や国選弁護人という違いもあるのかもしれません。

 

検察官はスゴイ

そして驚いたのは、検察官の手腕です。

特にこの詐欺事件では、被告人はか細い声で尋問に答える様子を見ると

被告人に、犯罪の故意はなかったんじゃないかとか

まぁ許してあげようよと、年老いた被告人にそこまで

罰を与えなくても、という気持ちになってしまいましたが

検察官は

「あなた一度だけじゃなく、何回か紹介をしているよね」

この一言で、印象がガラリと変わってしまいました

紹介を受けて偽装結婚した共犯者の男性の証言と、被告人の証言が

食い違っている点を主張してきました。

 

他の事件でもそうですが、検察官の発言やタイミングで

被告人はより悪人に見えることもあるのです。

弁護人がいくら擁護しようとも、次の瞬間

「供述と違う」といった点を突いてきます。流石です。

弁護士が舌を巻くのも頷けます。検察官が怖いということだけはわかりました

 

逮捕されたら、取調べを受ける前に、不利な証言をする前に、

弁護士を呼びましょう。

 

他の事件については次回。