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裁判傍聴記⑤ストーカーと建造物損壊

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裁判傍聴記⑤

 

 

ストーカーと建造物損壊罪

この日最後の傍聴が、確か住居侵入罪と建造物損壊罪でした。

覚せい剤の判決と同時刻だったため、急いで入廷すると

審理はもう開始されているようでした。

 

被告人は20代の男性でした。

 

事件概要

被告人は元カノに未練があり、1人で酒を飲んだ際に元カノが

連絡を無視したことなどに腹を立て、脅してやろうと

ハンマーを所持して、元カノのマンションに向かったそう。

元カノは不在でしたが、抑えがきかず、ハンマーでマンションのドアを破損

男性は数ヶ月間、元カノに数十通連絡をしていた

男性に前科前歴はない

 

途中からなのでわかったことは、この程度でした。

被害者からしたら、ハンマーでドアを破壊させるなど、怖くて仕方なかったことでしょう。

男性はまだ若く、若さゆえの感情に任せた拙い犯罪だなという

印象を抱きました。

 

男性は、家族にも迷惑をかけ、雇用主も解雇せず面倒を見てくれるなど

反省をしている様子ではありました。

しかし、男性が述べる反省の弁は、

「今後この事を忘れないようにする、酒は飲まないようにする」

というもの。

ううーん。人はいくらでも忘れるんだよなあ・・・

ちょっとDV入ってるよなあという感じです。

 

結局この事件も審理なので、どのような判決が下されるかはわかりませんでした。

 

この裁判で印象に残ったこと

この裁判でもっとも印象に残ったともいえるのは、

検察官の女性が、女優も真っ青なほど美人だったことです。

そればかり印象に残りました。

 

検察官の女性は被告に対して

「あなたの行為はストーカーじみていて、怖い」とはっきり。

恐らく彼女も大した罰にはならんだろうと感じているのか

とりあえず1年求刑しているって感じでした。

 

対する弁護士は、これまた敏腕そうな弁護士でした。

この弁護士も慣れた様子で、はきはきと情状酌量を述べていました。

 

裁判官は絵に描いたような裁判官。私のイメージに近い裁判官でした。

 

 

傍聴が終わって・・・

この日は、結構な裁判を傍聴することができました。

裁判は平日に開かれている為、なかなかお目にする機会はありません。

 

時間があれば、事件の審理から判決まで見届けたいものです。

そこまで見届ければ、何かわかった気がするかもしれません。

 

加害者側がどんな気持ちなのかは、強制わいせつの事件で

よく理解できました。

 

傍聴が癖になるかはわかりませんが、同行した人は結構興奮冷めやらぬ感じで

語っていました。

 

結構内容が濃いし、時間も決められている為、詰め込むと疲れた感じはあります。

ゆっくり見られる時間を確保して、ゆったり傍聴するのがベストかもしれません。

 

どの事件も甲乙つけがたかったです。次回は泥沼離婚訴訟でしょうか。

 

前回の記事はこちら

 

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裁判傍聴記④:無実を争う傷害事件と覚せい剤判決

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裁判傍聴記④

 

 

傷害事件

ストーカーも結局審理が中断されたので、同時刻で行きたかった傷害事件へ直行しました。

事件概要

  • 被告人は女性で被害者を殴った
  • 被告人には麻痺などの障害があり、被告人を殴るのは不可能というのが弁護側の主張
  • 証人尋問で、主治医が証言

 

刑事事件の有罪率は、実は約9割と非常に高く、起訴されればほど有罪と言える状況です。

検察が有罪立証可能な事件だけを起訴しているという話はさておき、

 

この事件では、非常に珍しい、『無罪』について争っているのだとわかりました。

この事件は、非常にドラマなどで見られるイメージの裁判に近かったかもしれません。

 

そう言えば、意外に「異議あり」とか全く言わない・・・

 

被告人は…殴った?殴ってない?

要は、被告人には麻痺があるために、被害者を殴ることはできなかったという話でした。

その被告人の麻痺に関する話を医学的な観点から行うというもので見ごたえがありました。

ただ、検察官が起訴したなると、相当な証拠や、

被告人の麻痺では考えられないケガを被害者に負わせたことで、

検察は恐らく、被告人がやったと確信して起訴しているのでしょう。

 

医師は検査で麻痺が残っていると判断をしましたが、それは被告人の

証言と、MRIの画像から判断したことです。

検察官は恐らく、被告人が虚偽の証言で、麻痺を演じていていたのではないかと

考えているのでしょう。

 

被害者のケガの程度が明らかとなっていませんので、

被告人に犯行が可能か否かはわかりませんでした。

裁判官はどんな判断を下すのでしょうか。

 

ちなみにこの事件では、弁護士も少し頼りない感じで、

裁判官は優しそうでしたが、進行があまり得意ではないような感じでした。

証人尋問で呼ばれた医師は、昔ながらの医師という感じで、

手短にと言われても結構一生懸命説明していましたw

 

何やら同じような患者のもう一人が事件を起こして警察に厄介となったようで、

いやはや大変な職業です。

 

覚せい剤

その後、覚せい剤の事件を傍聴しに向かいました。

裁判所の開廷表で感じたのは、詐欺・窃盗・覚せい剤が多い印象です。

 

覚せい剤では、被告人は既に入廷していました。

傍聴席も結構人がいました。しかし、時間が経過しても開廷しません。

どうやら、検察官が前の事件の審理で遅れているようです。

ひとつ前の傷害罪の証人尋問を思い出しました。

 

証人の証言の長さによっては、このように次の審理に間に合わないことも

あるのだなと、

裁判官や検察、弁護士は、結構分刻みのスケジュールで忙しいのだなと

思いました。

 

やっと検察官があわただしく入廷し、始まりました。

が、今日はどうやら判決だけだったようで、

被疑事実は、覚せい剤を1度使用したことによるものだったようです。

覚せい剤の初犯は、だいたい執行猶予がつくようで

その判決でも執行猶予がつきました。

 

被告人は、はきはきとしていましたが、どうやら中国人だったようです。

裁判の結果も、中国人通訳を通して行われました。

 

判決はすぐに言い渡されると、そこで終了でした。

思いのほか時間も余り、16時の裁判に間に合いそうだったので、

16時開始の裁判へ向かいました。

 

過去記事はこちら

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裁判傍聴記③:過失運転致死とストーカー事件

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裁判傍聴記③

裁判所の中のグルメ?

2件目の重い強制わいせつ後に、昼食を摂りました。

実は裁判所の地下に食堂があります。

食堂は、大学の学食みたいな食堂と、喫茶店すき屋、ファミマがあります。

茶店の洋食はなかなかお洒落で美味しそうでしたが、今回は券売機で券を

購入して、食べる食堂にしました。

私はサバ味噌定食でしたが、ラーメンにすればよかった。

他にも、かつ丼やらありました。

どうやら、裁判所の食堂の評判は、家裁ほど高くはないようです。

確かに、学食のようにすぐ出てきましたw

 

その後次の開廷を待っていましたが、裁判は12-13時まで必ず昼休憩となり

当然、食堂やロビーにも人が多くなります。

幸い13:30~だったので、喫茶店でケーキを食べていました。

茶店の店員さんがすごく親切だった。

 

過失運転致死

午後の1発目は、過失運転致死罪の裁判でした。

この裁判、7階?の大きな法廷で、案の定裁判員裁判で使用される法廷でした。

この日は審理で、もしかしたら裁判員も傍聴席で聞いていたのかもしれませんが

裁判員の姿は見えませんでした。

法廷内はかなり広かったです。詐欺事件の法廷は非常にこぢんまりしていましたが

 

傍聴席の一番前に、黒いスーツを着ている人たちがいました。

遺族か加害者家族かなと思いましたが、1人が立ち上がり、入廷しました。

 

男性は茶髪で色黒。細くて小柄な男性で、40代でしょうか。

弁護士は色白でメガネをかけた方でした。

 

事件概要

  • 被告人が運転する車で、前方不注意により80代の男性に衝突
  • 男性はボンネットに乗り、頭蓋骨を強打、搬送先の病院で死亡
  • 被告人は事故時、被害者に適切な救護活動を行った
  • 被告人の車は時速40キロ程度
  • 被告人は交通違反を過去6回行っている
  • 被害者遺族に対する賠償を損保から1300万円支払われている

 

この事件では、遠くの信号機を見ていたことで、道路にいた被害者に気づかず、ぶつかったとのことでした。

しかし、被害者に気づいたのも、11メートルほど前であり、

ブレーキを踏んだとしてもぶつかってしまうような距離であったようです。

 

被告人にも情状酌量があると思いきや、過去6回の違反で免許取消や停止処分を何度も受けており、

監督すべき立場の奥さんが、夜道の運転が怖いと運転させる始末。

こりゃあ色々問題がありそうだな、という事件でした。

 

印象的だったのは、弁護士が弱弱しい声で、若い検察官がハキハキしていて

いやに慣れた裁判官だったことです。

どこの法定もバランスが取れているのかも…

 

ストーカー事件

4件目の傍聴は、ストーカー事件でした。

ストーカー事件と言えば、男性が好きな女性につきまとうというアレを

想像しますよね。

 

この事件もなぜか傍聴人が多く、ほぼ満席の状態でした。

 

被告人が入廷した時、周囲がざわついたように感じました。

いや、私がざわついていたのかもしれません。

 

被告人は、細くて小柄で、髪をまとめている40代くらいの女性で

手には手錠、腰には腰縄を打たれて入廷しました。

おぉ!今までの被告人は身なりをきちんとしていましたが

家族などに渡されたスーツだったかもしれませんし

もう保釈されていたのかもしれません。

 

この女性はスウェットというラフな格好で、正しく今も勾留中なのでしょう。

リアル勾留中な被告人に不謹慎にも少し興奮してしまいました。

それも女性です。

生手錠や生腰縄を目撃してしまいました。

 

彼女は、人の印象によるのかもしれませんが、私は美人だと感じました。

ストーカーで逮捕されて勾留されてて、起訴までされているのに、

悪びれるといった様子はなく、なんというか、本当平常心でそこにいるようでした。

先生に呼ばれたから、職員室に来た生徒みたいな・・・?

例えが不味いのは置いといて。

 

事件概要

正直、彼女の声が小さく、聞き取ることができなかったのですが

  • 男性につきまとい、仕事先の美容室にまで出没した
  • 数か月前に接近禁止命令が出ても無視
  • ストーカー規制法で略式起訴されている
  • 以前にも窃盗で前科アリ

だったようです。道理で慣れている雰囲気ではありました。

 

起訴状・裁判官に意見する

今までの被告は、起訴状を読み上げられると、大抵

「間違いありません」と。

まぁ起訴されてしまっていますので、言うわけですが

彼女は

「違います」と反論。彼女からすれば、真剣に恋愛をしていただけで

ストーカー行為ではないと否定しているようでした。

 

また、彼女は、裁判官の発言にもそれは違うとしっかり訂正していました。

こう物怖じしないというか、堂々としていました。

私にはないものなので、見習いたいくらいですが。

 

山岸由香子系女子

彼女の印象は・・・アレです。ジョジョに出てくる山岸由香子

という感じでした。

こう真っ直ぐになりすぎて、人の話が聞けない感じです。

だからこそ、相手が拒否しても相手の家の近くに出没しちゃったりするんでしょうけど…。

サイコパス的な臭いがしました。サイコパスがどんな人かは知りませんが

一体どうしてこうなったのでしょうか。

 

私もメンヘラとして定評はありますが、彼女ほどではないようです。

敗北感すら覚えます。

 

気になる事件の概要を聞こうと思いましたが、検察側は追起訴するとのことで

審理は次回に持ち越しとなり、短時間で閉廷してしまいました。残念。

 

前回の記事

 

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裁判傍聴記②:傍聴がきつかった事件

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裁判傍聴記②

2件目の傍聴は、強制わいせつ事件

強制わいせつとは、暴行・脅迫を用いてわいせつな行為を働いた場合に問われる犯罪で、

懲役刑しか設けられていない、重い犯罪です。

 

強制わいせつといえば、痴漢などが挙げられるかと思います。

2件目に傍聴しようと決めたのが、強制わいせつ事件です。

 

まぁ、こういったわいせつ事件を傍聴する人の中には、不純な気持ちで

傍聴している人も多くいることでしょう。

興味がないといえば、嘘になります。

ただし、今回は(今回しか知りませんが)何とも言えない重い事件でした。

 

いや、被害者にとって、性犯罪はいつだって重い事件なのです。

それが例え公然わいせつなんかであっても。

 

かなりきつかった強制わいせつ事件の傍聴

法廷に入ると、1件目とは打って変わって、傍聴席は間もなく満席というほど

人が入っていました。

そういや何かの本でも、性犯罪は傍聴人が多いといっていたことを思い出しました。

 

事件の概要 

  • 法廷にいた被告人は、スーツ姿30代の男性。
  • 起訴状は、強制わいせつ事件
  • 被告人は、当時10歳の少女を「殺す」と脅し、わいせつな行為を行った
  • 被害者とは示談済み、被告人は引っ越しをしている
  • 再犯防止のために、性依存のクリニックに通院中

 

内容は、陰部に触れた、DNA検出・スマホで撮影しようとしたなどから

想像するしかありませんが、この時点で、心が痛みました。

 

被告人はお決まり?のように謝罪の言葉を述べていました。

「じゃあ何でやったんだ?」としか思えないのは当たり前の感情でしょう。

 

 証拠調べ後、弁護人から証人や被告人に質問が行われました。

 

証人尋問で法廷に立った女性

証人尋問で法廷に立った女性は、被告人の奥さんでした。

弁護人が、逮捕の知らせを受けてどう感じたか、女性に質問すると、

女性は、言葉を詰まらせ、

「嘘であって欲しい、夢であってほしいと思いました」

と小さく答えました。

被告人は、静かに聞いており、一見すると反省しているようにも見えました。

 

  • 奥さんは、旦那が保釈されてから、GPSで居場所を特定して、被告からも居場所を連絡する事で再犯を防止
  • 上記の通りクリニックにも通院
  • この事件は、示談金200万円を支払っている
  • 夫婦は事件を起こした地域から既に引っ越している

 さらに、奥さんは子供を妊娠しており、間もなく臨月となるところでした。

 

違和感を覚えた被告人質問

次に行われた被告人質問では、被告人が犯行を行った動機は、

子供に対する異常な性衝動であるなどが明らかとなりました。

 

検察官は、

  • 事件当時、被告人はジムに出掛けると言って、何時間も外出しており
  • 証言とマンションの防犯カメラの時間が合致していない
  • 証言と時間の食い違いなどから、少女を物色していたのではないかなど

初犯である点に疑問を抱いているようでした。

 

被告人も反省していると言いつつも、質問に対して

質問の意図を読んで返答している感じはなく、

話が通じない人間特有の感覚があるように感じられました。

 

結局、被害者がどういう辛い気持ちになるのか

想像力がないというか、感情が欠落しているというか

そういったことも原因だったのではないかと、感じました。

 

これは、性犯罪をする人間全てに言えることでしょう。

被害者がどんな苦しみ・悲しみを感じるか理解すらできないから

想像すらできないから

犯罪をするに違いないのでしょう。

 

最後に、被害者の人生に影響を与えるかもしれない、

申し訳ないと被告人は述べていましたが、

子供が生まれるかもしれない人間のすることではありません。

「自覚がなかった」「被害者が可愛いから、無防備だから後をつけた」

呆れるしかありませんでした。

 

検察官と弁護人の印象

本件は審理でしたので判決は10月となるようです。

隣に座っている人がいやに、ペンを走らせていましたが

どっかでニュースになるのか、はたまた学生なのか・・・

 

検察官と弁護人は、どちらもやり手といった印象を受けました。

事件が事件なので、検察官は厳しく追及していました。

一方弁護士は、かなり慣れた様子で淡々としていましたが

強制わいせつ事件で示談金を200万円支払ったというのは

この弁護士の交渉力もあったのではないかと個人的に思いました。

事件内容も悪質ではありますが、相場は50~150万円と

聞いたことがあったからです。

 

悲惨な性犯罪は今日もどこかで起きている

一緒に傍聴に行った相手は、強制わいせつ事件の悲惨さに

言葉を失っていました。

私も同様で、被害者はさぞかし、怖い思いであっただろうと想像し、

 

そして、それが今後の人生に大きい影響を与えるであろうことを考えると

可哀想に感じました。

大人であっても、痴漢に遭っただけでも怖いのに。

これは、誰の子供にも起きうる事件で、無関心でいることはできないのではないでしょうか。

 

被害者は直接の被害者だけではありません。

被告の奥さんと、お子さんも同様でしょう。お子さんのために

離婚しない道を選び、更生させると誓った奥さんですが

私は、被告人が改心するとも思えませんし、結果離婚に至る気がしています。

検察官とのやり取りを見ていて、こんなにも相手の質問意図を理解したり

読んだりできない人間に、更生なんてできるのだろうか、と

感じました。

 

そして、こんな胸糞悪い事件が、今日もどこかで起きているのです。

 

前回はこちら

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以前から言われているように裁判には人の人生が詰まっている

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連休前の金曜日、夏季休暇で裁判を傍聴してきました。

泥沼離婚訴訟の傍聴もしたかったが、以前から行こうと決めていた

刑事裁判の傍聴をすることに。

場所は霞が関徒歩1分の東京地裁

 

 

入館から傍聴するまで

裁判は平日16時くらいまで傍聴可能で、別に服装などにも特に制限はなし。

そうはいっても、ビキニで入館はできないと思うけど。

その日は、入館前に荷物検査がありました。

 

初めて入館した裁判所の印象はとにかく

思いのほか大きい」ということ。

ロビーが広く、確か9階くらいまであります。

裁判所って国会議事堂みたいなイメージだったけど、めちゃくちゃ大きいです。

 

入館してから正面の台で、今日の裁判の開廷表がタッチパネルで

確認できました。

開廷表には、詐欺事件 法廷722とか記されているので、エレベーターで法廷へ。

このエレベーターもちょっと複雑で少し迷いました。

 

この日傍聴した裁判は以下の通り

10時~詐欺事件、強制わいせつ、過失運転致死、ストーカー、傷害事件

覚せい剤取、住居侵入・建造物損壊

 

初めて行かれる方に言いたいのは、開廷表が1階にしかないので、

事前に準備したメモなどで、気になる事件の開廷時刻や、法廷番号などを

メモしておくと、往復しなくて済みます。

もっとも、傍聴マニアならいい方法をご存知かもしれませんが。

 

ウォーミングアップに丁度いい詐欺事件

仕事柄、刑事事件と縁がある?ために、刑事事件をチョイスしたのもあります。

その中でもその日に傍聴しようと選んだものは特にそうです。

 

詐欺事件と言えば、若者が行う振り込め詐欺

詐欺罪の法定刑は懲役しかなくかなり重い罪です。

そういったものを期待して、初めての傍聴にわくわくしながら法廷へ。

 

しかし、行われたのは、外国人と日本人の偽装結婚に関与し、利益を得たという事件。

被告人は、声が弱弱しい老人でした。

事件の概要は

  • 外国人留学生などに不動産を提供する会社を運営していた被告人が、外国人と日本人の偽装結婚を斡旋
  • 知り合いの外国人が計画して、知人の外国人女性に、日本人男性を紹介
  •  被告人は、断るのが苦手な性格や、会社の資金繰りに苦しんでいたこと
  • 知り合いに結婚したがっている男性がいたことで、決意して偽装結婚に手を貸した
  • 対価として30万円を得た

 

 

偽装結婚が犯罪として重い罪に問われる理由

男性には犯罪をしている意識はないようでしたが、長期間勾留され

相当堪えている様子でした。

弱弱しい男性に懲役刑を求刑する検察官。執行猶予でいいじゃろ~

と思っていましたが、

 

男性がしたことは、

  1. 戸籍制度に対する信頼を損なった(国に対して詐欺を働いたなど)
  2. また、男性の仕事を加味すると、外国人と触れ合う機会が多く、外国人に不動産を斡旋する仕事をしていること
  3. そして、外国人の偽装結婚を斡旋することで、不法入国を許可してしまっているなど、

国としては見捨てることのできない重大な犯罪であるということでした。

 

仰る通りです。外国人が身近になった今こそ

単に引き合わせたことで、詐欺に問われる可能性があるということです。

 

しかし、この男性は、斡旋したことで30万円の金銭的利益を受けるも

結婚した女性が家庭にお金を入れないなどで、結婚した男性から

金の無心を受けていたようで、結果手元に残ったお金もないということでした。

 

初めての傍聴感想

判決は10月のようで、どういった結末となるかはわかりません。

事件としては非常に地味ではありましたが、この後傍聴した内容を

考えれば、丁度いい事件だったと思います。

 

この裁判の傍聴での感想は以下です。

  • 証拠調べが長い
  • 裁判官・検察官・弁護士は意外に普通の人
  • 検察官の手腕にびっくり

 

初めての傍聴で感じた法曹界の人々

自分が率先して裁判を行わない限り、訴えられるということは、

余程のことをしない限り身近なことではありません。

従って、生きているうちに法曹界の人々に出会うことも少ないのではないかと

思います。

 

私がこの日出会った、裁判官・検察官・弁護士の印象は

意外に普通の人であるということです。

 

本当普通です。電車とか駅のホームですれ違っているかもしれない程度に

普通の人々でした。

 

裁判官と言っても、居酒屋で大声で注文するようなふてぶてしい感じの慣れた裁判官もいれば、弱弱しく、オドオドしていて、進行できない裁判官もいました。

 

検察官も同様です。神経質そうな普通のおじさんもいれば、若くてピチピチした検察官や、

悪と言わんばかりに被告人に食って掛かる検察官もいました。

 

一番の驚きは、女優さんも真っ青な美人な検察官がいたことですが。

彼女になら重い懲役刑を求刑されてもいいくらいです。まさに才色兼備。

 

弁護士も同様です。はきはき理路整然と話す弁護士もいれば、よぼよぼで、

大学の誰も入らなさそうな学部を担当している教授のような

ただ見守るだけの弁護士もいました。

これについては、私選弁護人や国選弁護人という違いもあるのかもしれません。

 

検察官はスゴイ

そして驚いたのは、検察官の手腕です。

特にこの詐欺事件では、被告人はか細い声で尋問に答える様子を見ると

被告人に、犯罪の故意はなかったんじゃないかとか

まぁ許してあげようよと、年老いた被告人にそこまで

罰を与えなくても、という気持ちになってしまいましたが

検察官は

「あなた一度だけじゃなく、何回か紹介をしているよね」

この一言で、印象がガラリと変わってしまいました

紹介を受けて偽装結婚した共犯者の男性の証言と、被告人の証言が

食い違っている点を主張してきました。

 

他の事件でもそうですが、検察官の発言やタイミングで

被告人はより悪人に見えることもあるのです。

弁護人がいくら擁護しようとも、次の瞬間

「供述と違う」といった点を突いてきます。流石です。

弁護士が舌を巻くのも頷けます。検察官が怖いということだけはわかりました

 

逮捕されたら、取調べを受ける前に、不利な証言をする前に、

弁護士を呼びましょう。

 

他の事件については次回。